2018年09月20日

一般質問H30.9.5①

細川かをりです。防災に関して伺います。
2012年、アメリカ東海岸をハリケーン「サンディ」が襲いました。ニューヨークでは大潮と重なり、深刻な高潮の浸水被害が発生しました。地下鉄、道路、鉄道のトンネルまで水に浸かり、公共交通機関は運行を停止、マンハッタンの変電所は爆発し、一帯の停電が続きました。ニューヨーク証券取引所は2日間にわたり閉鎖、金融活動・社会経済活動の中枢に大きな影響を及ぼしました。ニューヨーク州及びニュージャージー州の被害額は合わせて8兆円規模にのぼり、米国災害史上2番目に大きな経済損失となりました。(写真)
その後、ニューヨーク市では、「気候変動により、このような災害は今後も起こりうる」として、ハドソン川やイーストリバーの治水想定を1m高くしたと聞いていますが、アメリカでは、ぱぱっとドラスチック(劇的・徹底的)に対応策がとられるので感心します。
IPCCは「21世紀末までに、極端な高温の増加がほぼ確実。また、中緯度の陸域のほとんどで、極端な降水がより強く、より頻繁となる可能性が非常に高い。」と警告しております。
降雨量の増加で、世界各地で現在目標としている治水安全度が著しく低下します。オランダ・イギリスなど欧米諸外国においては、すでにその適応策に着手し、洪水防護壁や高潮堤の整備や土地利用の改善を行っています。 
日本でも平成19年から国交省の社会資本整備審議会で「気候変動に適応した治水対策」について話し合われ、その答申を受け、「気候変動適応策に取り組んでまいります」と国交省は答えています。しかし現実には、当面の目標とする治水安全度すら未達成の低い状況にあります。(資料1)
① 将来を見据えた治水対策は喫緊の課題と考えますが、知事の考えをお聞かせください。

平成16年の福井豪雨からすでに14年が経過しています。しかしながら山間の地域では当時の「原形復旧」のみで、適応策は講じられておりません。その8年後に床上浸水に再び見舞われたお宅もあり、今も多くのところで、雨のたびに不安な思いでいるという現実を、前回の議会でも報告させていただきました。福井市街地を走る足羽川は治水安全度が高められましたが、そうした改良策・適応策は、未だ上流部には届いていません。
「住民の生命と財産を守る」のが行政の重要な役割だと思っておりますが、「費用対効果」という文言によって上流小集落は「蚊帳の外」ではないかと懸念します。仮に「改良する」となっても、山間では、道路一本、河川一部改良するにも、予算配分が毎年わずかずつで、工事着手したとしても、完成までに長い年月がかります。生きている間に、ちょっとは良くなるのだろうかと、空を仰ぎたくなります。
またこれは、「月尾川」の堤防決壊や越水を起こすところの写真で、こちらは7月の大雨でも避難勧告が出された「小松川」の写真です。どちらも住民ではお手上げの雑木や雑草だらけの川です。大雨だと真っ先に危なくなる脆弱なポイントすら、維持管理不良だというのが現実です。
以前にも私は、河川の維持管理の予算について伺い、その額を劇的、絶対的にふやすべきではないか。」と質問をしました。知事は「木が大きくならないうちに伐採し、堤防のり面上部の草刈りを優先し、コスト削減を図りながら、維持管理に努める。」とお応えでしたが、準用河川や普通河川も含め、県内河川の掃除はまだまだ伐木・除草が必要です。
② 県管理区間はもちろんですが、準用河川・普通河川においても、適切な維持管理がなされるような促進策が必要ではないでしょうか?
③ また、気候変動に適応できるよう、せめて被災したところは、原形復旧ではなく治水安全度のあがる「改良復旧する」という支援制度を、国に求めるべきと考えますがご所見を伺います。

ちなみに、これは越前市の洪水ハザードマップの今立エリアです。浸水想定区域は、黄色や青でぬられていますし、過去に浸水した区域はピンクの斜線で表わされています。しかし、
④ 土地の高低差などで判断した洪水ハザードマップは絶対ではなく、それ以外の箇所でも災害はおこりうるということを、国にも住民にも周知すべきです。
⑤ さらに、広島県では砂防ダム自体が崩壊もしていますので、老朽化や満砂状態の点検も求めます。合わせてご所見を伺います。

一般質問H30.9.5②

地震について伺います。
先日、千葉県習志野市で防災の調査を行いました。習志野市や浦安市では、東日本大震災の時、液状化現象が酷く、土が流れ波打ち、地盤沈下、段さなどができ、砂が噴き出す「噴砂」があちこちで起きたそうです。地面の中の土がシャッフルされるわけですから、家が傾き、地面が伸びたり縮んだり、特徴的な被害の状況でした。
ここに着目したのは、昭和23年に起きた福井地震が、巨大な『液状化現象』だからです。福井震災については、当時福井市にお勤めだった方の記録などを整理した「福井烈震誌」という、1400ページにも及ぶ福井地震の記録があります。発災直後から足を使って様々なところでの聞き取りを行った、貴重で膨大な資料です。
「6月28日17時13分ごろ、福井地方は未曽有の大地震に襲われた。『ごおっ』という不気味な振動とともに、地面は大波のようにうねり、地上の建物は一瞬のうちに倒壊、人々は地面にぶっつけられた。」
「福井市中央部では、地震直後砂煙たちのぼり、あたかも爆弾落下後のような感じがした。湧水があり、砂を噴出したところが諸所。県庁の片側、濠になっている道路の亀裂は、幅50 糎で深さは2メートルもありそうに見える。」
「和田中町では、田の泥土が、波高一尺程度の泥津波となって襲来。」
「酒生村 足羽川堤防落差約1m、長さ4メートル沈下。田には湧水や噴砂があり稲苗は泥砂をかむったところもある。この村から東郷村を望んでいた人の話によると、一列に並んだ家が端からひとつずつ潰れるのを目撃したそうである。」
「河合村 地震前、多量に湧出していた井戸は、地震発生と共に多量の土砂を噴出した」
「森田町 地割れの大きいもんでは、幅1メートル以上のモノが認められた」
「烈震誌」には、噴砂、地面の波うちなど、液状化現象の特徴が随所に記載されています。福井平野は沖積平野、河の堆積物でできた軟弱地盤で、岩盤まで当時踏査したところは100から400メートル以上とのこと、液状化現象対策が必要です。災害は、忘れたころにやってくる。
千葉の被害状況は
「昭和の埋め立て地の被害が特に多い」
「下水のパイプの継ぎ目が外れ、汚水が港や川に流れて匂った。設簡易処理施設で4か月間消毒した」
「マンホール浮き上がり 下水道管の継ぎ目から噴砂侵入、下水道使用不可でトイレが使えなかった」
「幹線道路の路盤は厚いが、裏道の薄いところに被害が多かった。損傷部分だけではなく全体的にやり直しで長期化した」
「国の被災者生活再建支援制度は液状化現象には適用しにくい」
とのこと。

これらを教訓に、「もし現代の福井で地震・液状化現象が起きたら」と考え、備えるべきです。
⑥ 液状化現象に対して研究・啓発するとともに、千葉での取り組みを参考に、少なくとも、下水管や上水管などの継ぎ目を耐震ゴムにする取り組みを促進すべきではないか伺います。

一般質問H30.9.5③

次は雪害対策です。
地域の除雪は、かき手の高齢化が深刻だと、2月議会でお示ししましたが、特に雪深い山間部は、雪下ろしができず、重みで屋根や天井崩壊の危険性が高いです。空が見える状態の部屋の中で、独居高齢者が一人、濡れない場所を探し縮こまっていることも、これまでにありました。画像は、その壊れた屋根を部屋の中から見たものです。
極端な大雪は今後も考えられ、地域が孤立するケースも出てくるでしょう。今後ますます過疎高齢化することを考えると、大雪での「避難」があってしかるべきではないかと思います。
⑦ どういう状況の時に、誰が判断して、どんな方法で避難するか、大雪での避難の仕組みを考えておくべきではないでしょうか。

さらに、今冬の福井市の除雪費用が46億円とのこと。県全体が41億円であることを考えるとその費用は膨大です。
災害は、二度と起こらないということはありません。今冬も大雪かもしれないのですから、災害対策の合理化を図ったり、予算の適正化をしたりすることも必要です。
⑧ 予算面で、除雪費用が適正であったかどうか詳細を分析したり、県と福井市がワンオペレーションで効率よい除雪ができないか、検証・検討したりすべきではないか伺います。

福井市は中核市を目指して財政再建計画を立てておられ、事業の先送りや職員給与費の一定期間減額など、昨年度分の赤字を埋める手立ては厳正に見受けられます。しかし、根本的な経常経費の削減に関しては、正直、有識者のご意見を伺う必要があると懸念しており、もしまた大雪など予期せぬ災害に見舞われたらと、心配です。市町の行う除雪が、過大な負担とならないような工夫を求めます。

一般質問H30.9.5④

次は、交通安全施設に関して伺います。
福井の交通データを見ると(表)、事故死者は減っているとはいえ、平成29年人口10万人当たり死者数は全国ワースト1、夜間の人身事故率もワースト1です。また、運転者、特に高齢ドライバーの増加が著しく、これらを踏まえた交通安全対策が必要です。
県民の方から、道路管理についても意見が寄せられます。先日も、「テレビで高齢者が人をはねたニュース報道を見ていたら、その横断歩道の白線が消えていた、犠牲者は弱者が多い。横断歩道や外側線・中心線は大事だ。きちんと管理をしてほしい。」とのお訴えをいただきました。「観光道路のフルーツラインは、幅員20メートルもあるのに、外側線も中心線も消えている。県外の人からも『道路管理がひどい』と指摘される。」とも聞きます。私も先週、久しぶりに通る交差点で、直進・左折・右折の矢印が見にくくて困った覚えがあります。
予算に限りがあることは承知していますが、例えば県民が、マフラーに穴の開いた整備不良の車に乗っていて検挙されたときに「お金がない」では許されません。ですから、「安全施設整備のための予算がない」では、県民に説明がつきません。
道路の白線は、除雪で摩耗したとも考えられます。ガードレールにしても、まだ除雪による破損が残っています。大雪で具合が悪くなったのならば、災害補修、災害対策の1つとしてもいいでしょう。
⑨ 中心線、外側線、横断歩道、ガードレールなど摩耗・破損した交通安全施設には、早急な対応が必要で、命を守るための予算は十分確保されなければならないと考えますがお考えを伺います。

同じく信号機に関してです。
これまで何人もの同僚議員が地域の信号設置に関して要望したり、信号機設置条件の見直しを求めたりしています。しかしこれまでのところ、国の定めた設置基準は合理性があるのでそれに従うとのご答弁です。
国の信号機設置指針では、1時間に300台以上の自動車等往復交通量が必要条件です。その根拠は、「信号を守る意思のある歩行者であっても、12秒以上車両が来ない場合には、信号を無視して横断を開始する割合が増える傾向がある」とのことですが、これが「合理性ある数値基準」なのでしょうか?だとしたら、事故原因を歩行者に求めた、車から人を見降ろした考え方だと感じます。
弱者から考えると、信号がなくても横断できる道路とは、まず「交差点に気付く」こと、次に「渡る判断がしやすい環境であること」、それから「渡り終えるまで、安全であること」といったことだと思います。夜間においても、高齢者や子供にとってもです。
ですから、「ここは何百メートル見通せて、車が歩行者に気付いても十分止まれる環境だ」とか「スピードを出して通る車が少ない」と言われるなら納得もきるのですが、例えば午前中辻議員からお話のあった河濯線の交差点のような場所が、歩行者にとって横断しやすいところだとは思えません。幅員が結構ありますし、高齢者や子供が12秒待たされるからと言って、信号無視が増えるとも思えません。それ以上に、新設道路開通以前の生活習慣で、交差点に気付かず通過する方が怖いです。数値基準はあくまで「原則として」なのですから、状況・環境に応じて適切に判断すべきと考えます。
⑩ 車社会である福井だからこそ、弱者視点での交通安全に努め、適切な信号機設置を求めると同時に、河濯線の信号機設置を前向きに判断されることを求めますが、ご所見を伺います。

⑪ また、信号機設置基準が越えられないハードルなのであれば、代わりに横断者感知式注意喚起システムを設置して事故防止に努める方法なども考えられますので、合わせて伺います。

一般質問H30.9.5⑤

過疎・人口減少に関して伺います。
平成22年、県は、「福井県民の将来ビジョン」を策定し、10年後の絵を描きました。人口減少・超高齢化社会を予測し、その対策として「集落支援の仕組みづくり」や「コミュニティビジネス」、「退職後の地域リターン」、「縁を活かす」といったことが書かれていますが、すでに8年が経過しています。
⑫ 集落支援の仕組みづくりは、具体的な手立ては進んでいるのか、それらによって地域は元気になっているのか、進捗状況をお聞かせください。

私の住む集落は、山間にあり、現在12軒です。先日我が家で集落会議があり、次の世代のために、今できる事を考えていこうということになりました。次の世代では世帯数は半減します。
まず、10年先には田圃を今ほどやっていけません。今ですら、よその田圃を担っておられる方は手一杯ですから、高齢化とともに、耕作放棄地が増えます。それをどうするか・・・。以前は杉苗を植え、都会に出ていくパターンでしたが、木は売れずに放置され、おかげで花粉は飛びまくり、木が育つごとに日当たりが悪くなり、集落が狭まる状況です。ですから今度は、花桃や枝垂桜などを植え景観重視のランドスケープを描いたり、洪水対策を兼ねた緑地化を考えたりしています。本当は、果物の木を植えたいところですが、鳥獣害がひどいのでそれは断念。むしろ鳥獣害対策に山羊・羊を飼おうかと話して盛り上がりました。
過疎化が進む集落では、何もしないでいると、空き家や耕作放棄地が増える一方です。空き家はやがてあばら家になり、耕作放棄地は雑草雑木だらけになり、山里の景観を壊し、荒れ果てていきます。
「壊れ窓理論」をご存知でしょうか?窓の壊れた廃屋が放置されていると、そこの住民はそういったことに無関心、「コミュニティの目がない」と思われ、ほっておくと犯罪が増えるという犯罪理論です。廃屋の処理は地域にとって大事です。
田舎をどう美しく縮ませるか、ビジョンと適応策が必要です。
⑬ 知事の描く周辺地域の将来像を伺うとともに、そのための対策の必要性を伺います。

耕作放棄地に関して伺います。
減反や補助金がなくなるので耕作を止め、その土地の有効利用や管理に頭を悩ませている人が増えています。そうした中、有効な選択肢の一つが太陽光発電です。しかしながら実際にやろうとすると、農地転用で土地の課税率が上がり、採算が合いません。全面農地転用しなくてもそこで太陽光発電ができるソーラーシェアリングという方法もありますが、ソーラーパネルの元で農業を営む必要があり、実際そこでの栽培はとても難しいとのこと。現状、とてもハードルが高いです。
耕作放棄地が増えて荒れ果てるよりも、ソーラーパネルで発電している方が見た目にもいいのですが、太陽光発電のための農地転用ならば課税率を上げなくていいということはできないものでしょうか?
あるいは、ソーラーシェアリングで作りやすい農作物の開発・紹介を、農業試験場で行えないでしょうか?例えば「和紙の原料栽培ならばソーラーシェアリングとして認める」とか「耕作面積割合を現実的なものに下げる」といった工夫はできないものでしょうか?
⑭ 耕作放棄地で太陽光発電を行うハードルを下げることができないか伺います。
以上です。